景気という「気」について考えるⅤ(おしまい)
それでは我々中小零細企業は、いったい何を基準に経営を組み立てればいいのであろうか。
それについて五藤氏は次のように書いておられる。
― ビジネスにおいて、思うような業績になっていないとき、まず疑うべきは景気ではなく行なっている展開です。
3年前や5年前と同じことをしていれば、売上が上がらないのは当然です。
景気のせいではなく、「競争に負けていっているから」というのが正しい判断なのです。
逆に言えば、毎年新たな手法、サービス、商品、新事業…に取り組んでいる場合、「この打ち手はうまく行った」「こっちはイマイチだった」…という、自らの活動に対する評価はあっても、不景気だから…という考えはありません。―
「景気」ではなく「展開」というのは、極めて明快な提言である。
「景気」は他者依存を象徴する言葉であり、新規の「展開」は自らの意思によって決まるものだからである。
経営者は、徹底して自主的、自働的に挑戦していかなければならない。
試行錯誤(トライアル&エラー)の中からしか未来への解決策は生まれないのである。
一見しんどそうに見えるが、これこそ経営の醍醐味と言えるだろう。
それが存分にできるのは社長しかいないのである。
景気がどうのこうのなどとたわ言を言ってないで、「社長業」を楽しんで欲しい。
おしまい