景気という「気」について考えるⅢ

確かに、自社の業績を「景気」とリンクさせてしか考えられないのであれば、五藤氏の言われるように「経営者失格」と言わざるを得ない。

そこには何の主体性も意志の力も感じられないからである。

 

五藤氏はさらにこう述べられる。

 

― 理由は単純です。

変転する外部環境に適合させながら、ビジネスを豊かに成長させていくこと、これこそが経営者の仕事だからです。

要するに、何とかする、良くする…のが社長の仕事です。

一生懸命働いて、後は景気やご縁次第…というのは、精神論としては正しく立派でも、実務としては話にならないということです。―

 

「何とかするのが社長の仕事」なのだから、社長の仕事が厳しく難しいのは当り前なのだ。

しかしそこに「醍醐味」もまたあるのである。

 

事業規模についても、五藤氏は次のように述べられている。

 

― そもそも、売上高1兆円を越えるような巨大企業なら、社会への影響度も極めて大きいため、景気の影響も強く受けるかもしれませんが、その他大勢の企業に景気がもろに影響すると考えることに問題があります。

例えば50億とか100億円規模の会社の場合、景気うんぬんより、事業の打ち手、すなわち新たな取組みや新事業、新商品やサービス展開…の方が、はるかに業績に影響を与えることは間違いない事実です。―