景気という「気」について考えるⅠ
仕事柄、「景気」について「どうですか?」と、よく聞かれる。
ただ、正直言って世の中の「景気」とやらが、体感としていいのか悪いのか私にはよくわからない。
目安となるのは、マスメディア等によるマクロ経済上の統計的な数値になるのだろうが、身近な実感としてはピンとこない、というのが偽らざる感想である。
それでも「景気がいいですか?悪いですか?」と聞いてきた目の前のお客さん(お客さんに聞かれることが多いので)がどうなのかは分かっている。
大抵、業績の思わしくない顧客がそう聞いてくることが多いのだ。
期待している答えもおおよそ検討がついている。
「いやあ、景気が悪いですからねー。御社だけでなく、他の会社の業績もなかなか厳しいですよ。」
と言って欲しいのだろうと。
しかし、私は決してそうは答えない。
「どの業界にも(業績の)いい会社と悪い会社がありますよ。」
としか答えないのである。
おそらく聞いたほうは期待が外れて、少しがっかりしていることだろう。
とはいえ、正直なところこれが私の実感なのだ。
私の事務所のお客さんの事業が、世の中の「景気」という奴にそれほど左右させられているとは思えないのである。
つづく