日本否定論者が跋扈している不思議の国「日本」―「働き方」について思うこと―15
かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とも言われ、世界から高く評価された日本経済。
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、アメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲルの著書で、日本経済の黄金期(1980年代の安定成長期、ハイテク景気~バブル景気)を象徴的に指す言葉です。
まさにその言葉通りで、戦後、敗戦国で小国であった日本が、世界経済においてアメリカに次ぐ世界第2位のポジションを獲得した要因は、この著書にあるように、日本人の学習意欲の旺盛さや勤勉さといった特質でした。
つまり、よく学びよく働く国民性だったわけです。
ところが、その成長ぶりを脅威に感じたのか、世界では「日本人は働き過ぎだ!」の大合唱が起こり、国内でも労働省(当時)がキャンペーンまで行なって有給休暇取得を推進するような事態になりました。
その後、バブル経済も崩壊した日本は、長い長い経済低迷期に入ることになります。
「働き過ぎ」として、世界からバッシングを受けた日本について書かれたコラムでは、かつての日本と同様に経済発展を続けるインドや中国に対しては、同様の批判は起きていないことを指摘しています。
このコラムは、次のような提言で締めくくられています。
― 日本人自身や大手メディア、御用言論人らによる日本否定は、既にお家芸の域に達していると思いますが、日本否定論や日本人否定論には、必ず何か裏に意図がある、しかも邪悪な意図があると勘繰ってみた方がいいのではないかと思います。
これは海外礼賛についても同じことが言えるのではないかと思います。―
この最後の指摘は極めて重要です。
低迷を続けている日本とはいえ、世界の中ではまだまだ上位の経済大国であり、その文化や国民性が多くの人々から尊敬を受けている国家であります。
にもかかわらず、この筆者が指摘するように、マスメディアを中心として、日本否定論者が跋扈している状況には驚くべきものがあります。
諸外国の情報を知るにつけ、「お国自慢」からほど遠い国民性には驚かされます。
他国においては、いろいろな場面で「お国自慢」をするのは、おそらく「普通のこと」なのだろうと思います。
日本人だけが、自国が持つ様々な分野での「国力」に割には、それを何の誇りにもしていない、という点では突出しているのではないでしょうか。
これがいわゆる「自虐史観」というものの所以(ゆえん)であり、それがいまだに続いているのが現在の日本なのです。
すみません、と謝ってばかり・・・
つづく