労働環境の是正は達成されたのか?―「働き方」について思うこと―Ⅺ
インターネット上で見つけた「働き過ぎといわれた日本」というテーマのちょっと興味深いコラム。
バブル期、モーレツに働いていた日本人についての記述は、まるでここまで私が書いてきた自分たちの働き方のことを言われているようでした。
一方で、あの頃すでに「日本人は働き過ぎだ!」ともいわれ始めており、労働省(当時)がキャンペーンまで行なって有給休暇取得を推進していたのです。
そんな昔と対比させながらこのコラムはさらに続きます。
― それが労働者保護の観点から是正されてきた、とされているわけですが、本当にそれだけだったのでしょうか?
それから40年近く経った今日でも、ブラック企業やサービス残業といった言葉に象徴されるように、労働者保護の観点からの労働環境の是正は達成されていません。
もちろん大企業では労働時間管理は徹底されているところもありますが、企業の規模に関わらずどこでもそうだというわけではないようです。
しかも働き方改革の名の下に残業代削減が行われ、自由な働き方と称した人件費削減のための非正規労働への切替えや、フリーランス推進と称した業務委託というこれまた人件費削減のための措置が推進されています。
ある種楽しんで、生き生きとしたモーレツ社員や「24時間戦えますか」ではなく、モーレツに働かざるをえない、24時間戦わざるをえない、そんな状況にさえなっているのではないかと思います。―
ブラック企業や非正規社員の問題は、たびたびマスメディアなどで取り上げられています。
これはこれで結構深刻な社会問題なのだろうと思います。
ただ、私自身は身近でその典型的な事例というのを、まだ見たことがありません。
おそらく、そんな企業も存在するのでしょう。
私自身は、自分の会社(税理士法人です)について、この5,6年かけて社会保険労務士や副代表の女性税理士(この件に関しては彼女が人一倍頑張りました。)と一緒になって「勤務規定」や「給与規定」などを整備してきました。
そうやって、現在のコンプライアンスに沿った職場に改革してきたのです。
昭和の半ば、父が開業した前身の税理士事務所は、それまでも、別に「ブラック企業」的なところなどありませんでした。
ただ、現在当たり前とされているような「働き方」に準拠した規定などは備えられていなかったので、私の時代になって整備したのです。
一方でこんな問題も・・・
つづく