現在とはかなり異なる労働環境―「働き方」について思うこと―Ⅰ

「働き方改革」という言葉が頻繁に使われるようになり、私たちが「働き方」について、真剣に考え始めてどれくらい経っただろうか。

私には、現在の労働事情とはかなり異なる「働き方」で仕事に向き合っていた経験がある。

 

今から約40年前から30年前までの10年間ちょっとの話である。

東京で起業した私たちは、猛烈に働いていたことがあった。

「私たち」というのは、当時縁のあった20代から30代までの仕事仲間のことである。

私自身、起業したときはまだ30代初めであった。

 

会社を起こして2,3年たった頃から、世の中はまさにバブル景気に向かい始めた。

周りの社会環境がなんだかざわざわし始めて、特にビジネスに関する状況は大きく変化しつつあった。

 

ちょうどその頃、「マーケティング」という切り口で、世間に打って出た私たちは、期せずして時流に乗ったというか、まさにジャストタイミングで当時のビジネス社会に受け入れられていった。

多くの企業が、「金余り」現象にあり、その払い出し口として様々な新規案件を抱えていたのである。

 

新規案件には、ほぼ必ずと言っていいほど、「マーケティングリサーチ」即ち「市場調査」は必要になる。

そんな多くの案件の事前準備として、「マーケティングリサーチ」の依頼は引きも切らなかったのである。

 

今回テーマにしたいのは、その仕事の中身ではなく、「働き方」の方である。

冒頭に書いたように、猛烈に働いた。

何故そうなったかというと、いくつか原因がある。

 

当時の日本は、モーレツ社員とか、「24時間戦えますか」というキャッチフレーズのもとに、日本人が異常に働くことそのものが当たり前のような風潮でもあった。

そんな風に、そもそも当時の世の中がそうだったから、というだけでなく、猛烈に働いていたのは、私たちなりの事情があったのである。

 

その事情というか原因について、次回から詳しく書いていこうと思う。

 

打ち合わせ中のテーブル

猛烈に働いていた。

つづく