経営全般のサポートに回るという役割―我々の仕事はどう変化していくのか?「これまで」と「これから」を考える―Ⅵ

「英語の5W1H」に当てはめてみることで、私たちが提供してきたビジネスの「やること(内容)」と「やり方(方法)」を振り返り、それぞれの「これまで」がどうだったかを明らかにしてきました。

同じ方法で、さらに分析を続け、それぞれの「これから」を推量していきたいと思います。

 

5Wのうち、ここまで「What何を」「Who誰が」「Whereどこで」「Whenいつ」を分析解明してきましたので、残るは「Why何のために」ということになります。

いうまでもないことですが、これが今回の分析において、極めて重要なファクターであることは間違いありません。

 

この「Why何のために」については「申告納税制度の遵守及び経営上の数字を掴むために」と、我々のこれまでやってきた仕事を定義づけました。

この定義は我々の税務会計に関する専門職を、かなり限定的に表現したものです。

 

しかしながら、世の中の我々に対するニーズは、すでにこの範囲を大きく逸脱していると考えられます。

それでもこう定義したのは、その範囲にとどめたい、という願望がこちら側にまだ強くあるのではないか、と思ったからです。

 

私自身は、こういった限定的な範囲を超えて、もっと大きな領域で自らのビジネスを展開していきたいと思っています。

しかし、これまで業界を俯瞰してきた感想としては、どうも私の方が少数派のようなのです。

 

守備範囲を限定した方が、専門業としての仕事がやりやすい、というのはわかりますが、それはこちら側の都合であって、市場ニーズはもっと広いところにある、と私はとらえています。

現代ビジネス社会にあって、我々のポジションに対しては、こちらが考えている以上に期待が大きいのです。

 

そう考えると、「Why何のために」という命題は、もっと広く深く追求する必要がありそうです。

その定義づけのためにヒントになるのは、経営が昔に比べて格段に難しくなっている、という現実です。

 

我々の顧客である中小企業の業績は、以前のように「ひたすら頑張って働いてさえいれば利益が出る」といった単純な図式ではなくなりました。

経営においては、かなり戦略的なアプローチを繰り返さなければ、売上も利益も取れない時代になったのです。

 

こういった状況を打破するためには、強力な参謀役が必要です。

その最も適切なポジションにいるのが我々会計人なのです。

 

そう考えれば、「Why何のために」の定義は、経営全般のサポートに回るという役割を意識したもの、と考えるべきではないでしょうか。

そういった使命感のようなものを反映させた定義になると考えられます。

様々な形で経営支援

つづく