「形式」と「内容」の整備と充実化を図る―事業の継続性について考える・・ゴーイングコンサーンを実現できるか?―Ⅶ(おしまい)
自分が経営している事業を、ゴーイング・コンサーン(会社が将来にわたって事業継続していくとの前提のこと)として、永く将来にわたって持続させていくには、業界の中の「当たり前」になっている「事業の承継が難しい」ということと「長く働こうと思わない」という二つの課題を何とかしなければ、と私は考えたのでした。
そのためには、父から引き継いだ事務所を、家業的規模から事業的規模まで引き上げる必要があったのです。
まず私が実行したのは、実務に長けたパートナーを探し、仲間になってもらうことでしたが、これはうまくいったと思います。
次に、このパートナーと一緒になって、内部の規定等を整備しながら組織をそれなりの規模と内容のあるものに編成することでした。
これも、税理士法人の立ち上げという形で、とりあえず結実できたと思います。
資格要件というハードルはありますが、法人化したことで「事業を承継していく」という点については、形は整ったと思っています。
「法人」という法律的にも形としても整備されたものを引き継いでいけばいいからです。
ただこれは外側から見た形式上の問題であり、中身を充実したものにしていく、というのはまた別の問題です。
組織内部を充実したものにしていくにはどうしたらいいでしょうか。
これには二つの路線を考えました。
それは「形式的路線」と「クリエイティブな路線」の二つです。
一つは組織編成上の形式として、「部門や役職を作っていく」ということです。
人数が少ないうちはそうもいきませんでしたが、ある程度の組織になってくれば、「役職」或いは「肩書」というものを設けることができます。
もちろんそれが、名目だけの中身を伴わないものであれば意味がありませんが、明確な責務と報酬を保証することで設定が可能になります。
またそれが、本人の励みになり、離職率を下げることにもつながる、と考えました。
実際、中間管理職というのは、働く人数が増えることで必要になってくるものです。
もう一つは「新しい仕事を作っていく」ということです。
比較的やることがカチッと決まっている我々の業界の業務内容ですが、ということは逆に自動化されやすい、ということにもなります。
実際、そういう予想も出ています。
これに対抗するためには、機械化あるいは自動化では追い付かない、新しいタイプの仕事を作っていかなければなりません。
幸いこれは、仕事に真剣に向き合い常に考えることで、いくらでもアイデアが湧いてくるものです。
現在私の会社では、実務的にこういったことに取り組むことで「事業の承継が難しい」ということと「長く働こうと思わない」という二つの課題をクリアしていこうとしています。
またそうすることが、わが社だけでなく、業界の将来に対しても一つの指針となるのだろう、と考え日々チャレンジしているのです。
みんなで頑張ろうぜ!!
おしまい