自分のスタイルを持て―ファッション雑感シリーズ2「着道楽」?楽しく、面白く生きるのが、私の人生の目標(by石津謙介)―Ⅳ

【着るのが好き?見るのが好き?】4

着道楽」の中の「見るのが好き」と「着るのが好き」の間には、若干の隔たりがあるので気をつけなければいけない。

実際、着てみたら、イメージしていたほどカッコいい自分ではなかった、というのは、まあよくある現実なのだ。

 

中でも「映画」を参考にした場合、その隔たりは相当なもののはずである。

世界の名優、アラン・ドロン、マルチェロ・マストロヤンニ、スティーブ・マックイーン、高倉健のようには当然いかない。

健さんのG9スタイル、カッコいいす

 

とはいえ、この最高水準に設定された「着こなし」を真似するのは悪いことではない。

映像という2次元の世界からも大いに学び、そのエッセンスを勉強すべきなのだ。

 

しかしここで大きな問題にぶつかる。

「見るのが好き」と「着るのが好き」の間には「買う」即ち「購入する」という行為が必ず入るということである。

 

先述の、野村監督あたりであれば、或いは金に困らないセレブであれば、「買うのが好き」をストレートに受け入れることができるだろう。

しかし、予算に限界のある一般庶民にとって「着るのが好き」を実現するための出費は馬鹿にならないことになる。

 

「買うのが好き」を叶えるためのハードルは、それを楽々と越えることができるのか、という点においてなかなか難しいということになる。

「着道楽」も、ブランド物など上を目指せば、その金銭的な負担はきりがない。

 

そこでよく使われる言葉が「センス」である。

金がかかっていても「センス」がなければ、「成金趣味」といったそしりを受けることになりかねない。

 

そこで、先ほどの映画の話ではないが、ああいうもので学習して、できるだけセンスを磨かなければならないのだ。

特に、男性の場合、ちょっと昔の映像から普遍的なカッコよさ、というものを研究した方がよさそうである。

 

それは、単に「流行」=「流行り」=トレンドを追っかけるのではなく、自分の「スタイル」というものを持つ、ということにつながる。

「ファッションではなくスタイルを持て。」・・・これは、特に男性に向かって、昔からよく言われているフレーズである。

 

私はIVYファッション、トラッドから入ったので、流行に大きく左右されることはなかったが、それでもシルエットやサイズ感など、その時代のトレンド的なものはあった。

パンツの太さなど、それをよく表している。

これもトラッドの定番、キャメルのジャケットでございます。

つづく