「営業力」が弱い地方企業―社長の営業とマーケティング、こちらからどんどん「情報発信(アウトプット)」する時代―Ⅰ

地方で会計事務所やコンサルティング業を営みながら、多くの企業をウォッチングしてきて気づいたことがあります。

それは、地方の中小企業は「営業力」が極めて弱い、ということです。

 

特に、地方でも私が住んでいるより田舎の方を観察し分析したところでは、昔から「地縁血縁社会」をベースとしていた歴史が長いために、そもそも「営業」という考え方がありません。

というよりむしろ、営業的な考え方や行動を忌み嫌う傾向すらあるくらいです。

 

私は以前、年長者の社長夫人に

「営業なんてみっともない。」

と言われたことがあります。

「営業」こそが企業活動の花形部門と思っていた私にとって、これは結構驚くべき発言でした。

 

地方においては、かなり長い間、地域内でどれだけ濃い付き合いをするかがビジネスの成否を握っていた時代が続きました。

そのために、新たな市場や顧客を開拓していく「営業」という行為が成立しにくかったのです。

 

さらに言えば、そういった「営業」の前提となるマーケティング活動に至っては皆無と言っていい状況でした。

地方のビジネスにおけるその事情は、今もほとんど変わっていません。

 

マーケティングは、具体的にはその時代その時代の市場動向を探り、的確な販売促進戦略を仕掛けていく企業活動になります。

しかし、多くの地方企業が、そんなロジカルな組み立てなどこれまで考えたことすらなかった、というのがこれまで多く見られた状況だったのではないでしょうか。

 

ただ、この点は中小企業に限ったことではありません。

マーケティングをしっかりと取り入れた企業活動については、大企業も世界の潮流にかなり後れをとっていることが指摘されています。

 

つまり、日本においては、大企業も中小企業もこぞって、マーケティングには弱いという点が指摘されているのです。

特に地方におけるそれは、私にとっても大きな課題ですので、このあと、分析をかけていきたいと思います。

 

田舎。景色はいいんだけど・・・

つづく