実力をはるかに超える難しいテーマ―「情報発信」によるキャリアの作り方―Ⅱ
30年ほど昔、東京で友人といっしょにマーケティングリサーチの会社を起業した私。
当時はまだ珍しかった「マーケティング」というビジネスを周知するために四苦八苦しました。
ネット環境などまるでなかった当時の状況。
売り込み方法はDM(ダイレクトメール)のみという極めてアナログな世界でした。
そんな努力を重ねても、レスポンスは数百通に1通も来れば御の字だったのです。
それでも、たまたま問い合わせがあったときには、ここぞとばかりにハッタリをかませた必至の売り込みプレゼンを続けていたのです。
そんな、まるで綱渡りのような極めてリスキーな営業でしたが、そのハッタリが功を奏したのか、結構な確率で受注することができたのです。
そうやってある程度様々な案件をこなしているうちに、次第にリアルな実力もついてきました。
そうなると、ただハッタリをかますだけでなく、営業トークにも実績が伴なっているので説得力が増していきます。
それからは、バブル前夜という時代性もあって、面白いように受注することができるようになったのです。
マーケティングリサーチの仕事として、初めて受注した案件は、私の同級生の上場企業が発注してくれたものでした。
受注金額はそれほど大きくなかったのですが、ノウハウが全くなかった私たちは苦労しました。
しかし、それを何とかこなして、ある程度のクオリティのレポートを納品することができたのです。
この最初の仕事で、マーケティングリサーチの基本的なノウハウやコツ、この業界の置かれている現状などをつかむことができました。
そうやって次第に自信をつけていった私たちでしたが、初めて受注した大きな案件は、我々の実力をはるかに超えるような難しいテーマでした。
しかし、受けてしまったものは仕方がありません。
当時、社員7,8人の小さな会社でしたが、みんなで鬼のように頑張ってなんとか納品しました。
そのレポートは、こちらが思っていた以上に、クライアントの評価は高かったのです。
その後、そのクライアントは、レギュラーで様々な案件を発注してくれるようになりました。
プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも・・・・・
つづく