さまざまな要因の総体としての「モテる」能力―「仕事ができる」とはどういうことか?を読んで―Ⅱ
最近読んだ『「仕事ができる」とはどういうことか?』という一冊の本。
著者は、私が当代きってのインテリジェンスの持ち主と評価している、楠木健氏と山口周氏のお二人。
構成としては、全編対談形式によるものです。
このお二人の対談が面白くないわけがなく、いい意味での突っ込みどころ満載で、多くのページに私の赤線が引っ張られています。
引っ張った赤線の多くは、新しい切り口に対する驚きと共感、或いはかねて考えていたことの確認やそのユニークな表現への称賛といったことになります。
この本の主要テーマは、突き詰めて言えば「スキル対センス」ということになります。
スキル偏重の時代、仕事ができるために本当に大事なのは「センス」ではないか、というのが本書の主旨になっています。
このテーマをわかりやすいものにするために、様々な角度から説明が成されていますが、中でも「これだとわかりやすい。」と私が思った事例を、今回はご紹介しようと思います。
それは次のようなものです。
楠木氏の発言
―例えば国語、算数、理科、社会、こういうのは「スキル」です。
「できる・できない」という話。
或いは英語をしゃべることができるとか、プレゼンテーションや交渉力とか、ファイナンスの能力とか、法務の知識とか、スキルは他者に容易に示せるんですね。(中略)
これに対して、センスというのは一例でいうと「女性にモテる」。
特定の尺度では測れないし、すぐにモテるという状況を見せられるわけでもない。
さまざまな要因の総体というか綜合として「モテる」能力があるわけです。―
出ました!
男性陣きっての注目要素、「モテる」か否か。
これをテーマの事例に持ってこられると、思わず注目の度合いが違ってくることになります。
俄然、学習意欲が湧くわけです。(ん?! これは、私だけの現象でしょうか?)
とはいえ、当たり前ですが、この本は「どうやったらモテるか」を解説したものでありません。
あくまでも「仕事ができるか否か」が主要テーマということになります。
ただ、「モテる」をサンプルに持ってこられると、男性にとって切実な問題(?)だけに、非常に頭に入りやすくなるわけで、理解度が一気に増す、という現象が期待できます。
このあと、どのように展開されているのか、ご紹介していきたいと思います。
楠木氏の著書。500ページ近い大作です。
つづく