取り入れなければ事業の成功はおぼつかないーDX(デジタルトランスフォーメーション)から、ビジネスの未来を推測するーⅤ(おしまい)

販売員の属人的な知識や経験によるノウハウをデジタルに置き換えて、誰でもその知見が発揮できるようにシステム化したのがDXの功績といってもいいでしょう。

これによってユーザーの消費行動がさらに活性化され、販売実績につなげていくというビジネスモデルが一般化してきています。

 

このほかに、DXによってどのような変化が起きているのでしょうか。

この記事では「モノ」をDXにというタイトルで、以下のように紹介しています。

― アマゾンが、消費者の行動に変革を起こしてきたのはこれだけではありません。

アマゾンの本業はEC事業ですが、動画配信などのデジタルコンテンツの提供も行っています。

映画などの動画を自宅で見るためには、これまではブルーレイディスクやDVDを購入するか、あるいは借りてくる必要がありました。

動画配信により「モノ」を買ったり借りたりするという必要がなくなり、デジタルに置き換わったわけです。―

 

これは、わざわざDXがどうのこうのという必要もないほど、すでに普及しているビジネスモデルです。

世間的にはむしろECよりも、こういったデジタルコンテンツの配信の方が、その考え方や普及は早かったのではないでしょうか。

 

情報やコンテンツといった物理的に手にすることができない商材の方が、よりDXには向いていると考えられます。

これまではその情報やコンテンツは、上記のようにブルーレイディスクやDVDといった物理的に存在する「モノ」を介在しなければ手に入らなかったわけですから、それがいらなくなったということは画期的な出来事といえましょう。

 

最後にこの記事は、DXによって描くことのできる事業の可能性を次のように述べて、締めくくっています。

―DXで成功している企業を分析すると、アマゾンと同様に、「行動」「知識・経験」「モノ」のいずれか、あるいはこのうちのいくつかをデジタル化し、変革を実現している例が多いようです。―

 

「行動」「知識・経験」「モノ」ということは、およそビジネス化に関するほとんどの分野をDXはカバーするということです。

ということはなにかしらの形においてDXを企業活動に取り入れなければ事業の成功はおぼつかないということになります。

 

いずれにしても経営トップは、冒頭にありましたように、データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革していくこと、を迫られそうです。

 

 

おしまい