「比喩的表現」で文学的味付けを意識する―社長の「情報発信(アウトプット)」は「質」が問われる時代―Ⅳ
「言葉」によって何かを表現し伝えるのが「情報発信(アウトプット)」の持つ役割。
そのため、これを続け磨きを変えることによって、現代経営に必要と言われる「哲学」や「美意識」を身につけることができるのではないか、というのが私の考えです。
さらに加えて、ここにもう一つ大切な「味付け」をしてもらいたいのです。
それはいったいどんな「味付け」なのでしょうか。
私は、経営者の「情報発信(アウトプット)」に、できることならば「文学的味付け」を意識してみてはどうか、とご提案したいのです。
とはいえ、これは少し難しい提案です。
何をもって「文学的味付け」と言えるのかは、なかなかひとことでは表現できないからにほかなりません。
したがって、こういったことを少しずつ意識してみてはどうか、程度の言い方しかできないのです。
一点だけ分かり易い例を挙げれば、「比喩的表現」に精通する、ということになります。
特に経営者の「情報発信(アウトプット)」の場合、専門性を伝える必要がありますので、下手をすれば素人にはよくわからない世界について解説しなければなりません。
そういったときに「比喩」というのは、大きな力を発揮するのです。
比喩ということを、私の会計事務所の業務において、事例を上げるとすれば次のようなことになります。
「経営改善計画は、数字に強く細かい経費にまで気を配るようなタイプの経営者と、数字にはあまり強くないが営業面では大いに前向きなタイプの経営者とでは、その作成プロセスにおいて対応の仕方を変えていく必要がある。」
という文章があったとします。これをもっと分かり易く表現すれば
「経営改善計画に取り組むときは、まじめで実直なドイツ人気質(かたぎ)の経営者と、ちょっとアバウトなラテン系イタリア人気質の経営者とでは、一緒になって作るにも一工夫ひねりを加える必要がある。」
と書けば、より目に浮かぶように伝わるのではないでしょうか。
つづく
今日の川柳コーナー
「老い」を感じるこの頃
◆繰り返し 同じところを 読んでいる
近頃本を読むのが遅くなったのはこのせいか・・・
◆その話 昨日も聞いたわ 100回目
そんなあ・・・せいぜい20回目くらいだろう。