夫もつらい?!?―人生相談、自分に気付いていない人の「場」なのか?!―Ⅴ

40代、しかも結婚し子供までいる家庭を持ちながら、結婚前の若者たちと同じように、結婚をメリットデメリットで語る、新聞の人生相談コーナーの女性公務員相談者。

離婚も考えたが、そのデメリットの方がどうも大きいようなので踏みとどまっているという。

 

まあこの相談者に微かな微かな救いがあるとすれば、「私の気持ちを知った夫もつらいと思います。」と言っているところである。

そりゃあそうだろうけど、ここまでの彼女の主張を聞いていると、そんな配慮さえないんじゃないか、と思ってしまう。

 

しかし、それくらいは夫の気持ちを忖度する心の余白はあったのね、と思いつつも、まあ夫の方も少々のつらさではないだろうな、と推測する。

夫の反撃についてはなんにも書いていないところをみると、この人の夫は大人しい人物なのかも知れない。

 

ここまで散々言いつつ、この相談者は最後を次のように締めくくっていた。

― どうしたら幸せを感じられるのでしょう。

やはり離婚するのがいいでしょうか。―

 

うーん、幸せを感じたいわけね。

まあそうだろう。

だからこの相談コーナーに応募してきたわけだ。

 

しかし、先述したように、こういうタイプの人が、幸福感を感じられるのは難しいのではないだろうか。

この人のように差別主義者は差別することで幸福感を得ようとする

この人の場合、夫の学歴やタワマンといった住んでいる家のグレードといったことになる。

 

しかし、ちょっと考えればわかるように、そんなものはいくら追及しても上には上がいるのである。

比較し続けている限りきりがないし、そのことで幸福感を得られることはないだろう。

 

まあ、とにかくここまでエゴイスティックに自分を主張し、身近な存在である夫をこき下ろしている人も珍しい。

この相談に対する回答はいかなるものになるのであろうか。

 

回答者はライターの最相葉月さんである。

アクティブに生きている彼女の回答は、いつも切れ味が鋭く面白いものが多い。

 

さて、今回はどんな風にぶった切ってくれるだろう。

私は、楽しみに彼女の回答を読んだ。

 

 

つづく