聞きたいことや話したいことはいくらでも・・―息子たちと飲む、私の人生これからの楽しみが増えた―Ⅳ(おしまい)
3密を避けるためには格好の選択ともいえるテラス席で、気分よく飲もうと思っていた矢先に、なんと雨が降ってきた。
やむなく我々3人は店の中へと戻り、ゆったりとしたボックス席に腰を下ろしたのである。
ウイスキーやらカクテルやらを頼んで、まずは乾杯し、男だけの2次会が始まった。
とにかくこのメンバーで、ようやく一席設けられたことの喜びを分かち合う。
といっても、やたら喜んでいるのは私だけだったかも知れないが・・・
当初私は、この飲み会によし君を直接誘おうと思っていた。
まずは彼に声を掛けて、彼から奥さんである次女に伝えてもらい、OKが出ればいいやと思っていたのである。
しかし、途中で「待てよ。」と考え直した。
上記の順番で行くと、育児に大変な時期の次女の機嫌を損ねかねない。
そこで、先手を打って、私から直接次女に声を掛けたのである。
「そんなに長い時間拘束しないから、お父さんとちょっと飲みに行かしてくれ。」
と頼んだのである。
まあ、そういう頼み方をされれば嫌とは言いにくい。
そうやって、あれこれと気を遣い、ようやく男だけの飲み会は成立することになったのだ。
「歩(次女の名前)に先に声を掛けて正解だったね。」
と私が言うと、よし君も
「いやあ、あれは正解でした。僕からはなかなか言いにくかったと思います。」
と、今回の作戦を支持してくれた。
現代は、男同士親子で飲みに出かけるのも大変な時代なのだ。
飲みながらの話題はどうしても今取り掛かっている仕事の話になる。
彼は、現在勤めている会社の上場に向けて忙しそうだった。
所属している会社が業績を伸ばし、いよいよ上場するとなれば、やらなければならないことはいっぱいあり、大いに楽しみでもある。
私と同じ会計部門とはいえ、取り掛かっている仕事の内容は随分違っている。
会社のメンバーもまだみな若そうだったので、将来も楽しみである。
長男も交えて、いろいろな話をした。
まだまだ話したかったが、よし君は育児の手伝いをしなければならない。
今夜のところはこの辺で・・と、2時間足らずでお開きとした。
聞きたいことや話したいことはいくらでもある。
今度は長女の旦那も加えて、男同士の飲み会をやりたいものだ。
女性軍の機嫌を損ねないよう、うまく根回しして開催にこぎつけたいと思っている。
これは本文とは関係のない、行きつけになりそうなバーです。
おしまい