軽くおいしいお酒を飲める居場所を探して・・―息子たちと飲む、私の人生これからの楽しみが増えた―Ⅱ
孫の1歳の誕生日をみんな祝って、楽しいひとときを過ごした。
夕方始めたこのささやかなイベントも、夜に入ってそんなにも経っていなかったが、そろそろ赤ん坊たちは寝かしつける時間である。
しかし、大人にとってはまだ早い時間帯である。
お開きになる前に、私は次女の耳もとで囁いた。
「ねえ、よし君とお酒のみに行きたいのだけれど、2時間くらい彼を借りていい?」
よし君というのは次女の旦那のことである。
次女のところにも1歳になったばかりの孫がいるので、子育ては夫婦二人の役割になっている。
よし君も育児には協力的で、次女も当てにしているのだ。
それなのに、私が勝手に彼を誘ったりしたら、次女の機嫌を損ねるばかりでなく、うちの女性陣の総攻撃を受けかねない。
というより、間違いなく非難の嵐を浴びることになるだろう。
そこで、やんわりと次女に
「子育てに支障のない程度の時間で済ますから、どうだろうね?」
と、もちかけて、彼が出かけやすいように気を遣ったのである。
全く、女性の強い時代は大変である。
すでにお腹はいっぱいだったので、本当に一杯ひっかけに行くだけである。
そうなると、長女の旦那であるマコト君は、お酒を飲めない体質のため誘うのは気の毒である。
それに、長女の家でのイベント開催だったから、後片付けもせずに旦那を引っ張り出したら、長女が怒りだすのは目に見えている。
今回はやむなく、次女の旦那であるよし君だけを誘うことにした。
独り者である長男も一緒に、私たち男3人は、お誕生日会場を後にして外に出た。
女性陣や子供を中心としたファミリータイムは終わり、これからは男だけの時間である。
外は既に暗く、9月にしては少し暑かった昼の気温も下がり、こうやって歩くには実に気持ちのいい気候である。
私たち3人は、軽くおいしいお酒を飲める居場所を探して歩き始めた。
これは行きつけのバー
つづく