企業業績の向上に貢献するのか?―「情報発信」に向き合う社長が極端に少ない理由―Ⅰ
私はこれまで、企業経営者に「情報発信」即ちアウトプットの重要性を繰り返し訴えてきました。
私の助言をきっかけに「情報発信(アウトプット)」に踏み出し、徐々に結果を出している経営者も出てきています。
しかし全体的には、まだ「情報発信(アウトプット)」を戦略的に実践している経営者は極めて少数派と言わざるを得ません。
それはいったい何故なのでしょうか。
大きな要因として、次の2つの理由が考えられます。
・「情報発信(アウトプット)」と企業業績が関係あるとは思えない。
・「情報発信(アウトプット)」が企業業績の向上に貢献するとは思えない。
もちろんこれだけではないと思いますが、ざっくりといえばこの2つに集約されるのではないでしょうか。
第1の要因については、第2の要因である「業績向上とは無関係では?」という指摘に対して回答することで、同時に解決してしまうことになりますので、この疑問に答えたいと思います。
この件に関する分析は「広告宣伝」に対するそれとよく似ています。
「広告宣伝」には、大きく2つのタイプがあります。
一つはスーパーのチラシのように、直接、購買動機に訴求するものです。
卵が何円、キャベツが幾ら、というのは、他のスーパーのチラシとの比較が容易で安さを求めるとすれば、より安い店に出向くことになります。
購買への動機付けとして直接消費者の心理に訴えかけるわけです。
もう一つは高級ファッションブランドのように、人々の抱くイメージに訴求するものです。
この手の広告宣伝には価格など表示されません。
イメージ作りのためのデザインなどが先鋭化すると、その企業の商品すら出てこない場合もあります。
最近ではマンションの販売も、マンションそのものより、その周りの環境、つまりどんな「街」にあるのかを訴求するものがほとんどです。
こういった広告宣伝は、取り扱う商材を価格や機能などで訴えるのではなく、全体的なイメージを引き上げるために行なわれるものということになります。
コロナウイルス禍の中、情報発信中です。
つづく