一発勝負の料理作り―再現性ありません。どうもレシピ通りが苦手なもんで・・―Ⅳ

さて、そういうわけで、いただきもののちりめんじゃこを使った味噌味佃煮はなかなか良かった。

ちりめんじゃこ以外にも、やはり一人暮らしをしている母のところから食材をもらうことがある。


田舎暮らしのため、母もいろいろといただきものが多いようだ。

田舎の人は、相手が独り暮らしだろうが何だろうが、一度にくれる量が半端じゃないことが多い。

少しは考えてくれればいいのに、とも思うが、それが田舎流のしきたりというものだろう。


以前、母のところに大量のトマトが届けられていた。

「あんたも持って帰りなさい。」

と言われたものの、私はトマトそのものはそんなに好きではない。


トマトソースの料理とか、トマト風味というのはいっこうにかまわないのだが、生トマトは苦手なのだ。

そんなトマトを、私もそこそこの量もらうことになって困ってしまった。


家に持って帰って、どうしたものか・・と悩んだが、

「そうだ!トマトソースだったら食えないことはない。」

と思いついて、作ってみることにした。

とはいえ、トマトソースの作り方など聞いたことも見たこともない。


仕方がないので、想像力のみを働かせて、とにかく作ってみることにした。

そこで基本的に考えたのが、

「とにもかくにも、イタリアンな路線で仕上げていけばいいんじゃないか。」

ということだった。


ので、まず、トマトをできるだけ細かく切った。

次にフライパンに多めのオリーブオイルを敷いて温め、そこにそのみじん切りのトマトをぶち込む。

味はハーブソルトとか、ブラックペッパーとかガーリックパウダーとかパルメザンチーズとかとにかく洋風料理に使う調味料だけを使って整えていく。


それらを混ぜ合わせてしばらくグツグツ煮込んでいるうちに、なんだかトマトソースみたいなものができあがった。

しかも、使用したトマトが結構大量だったので、できあがったソースも半端な量ではない。


すぐに使う予定もないので、フライパンの中で冷めるのを待って、タッパーに移し冷凍したのである。

そうやって作ったトマトソース、そのときは、使う予定もなかったので、半ば忘れていたくらいであった。

          冷凍保存されたトマトソース

つづく