「差別化」という大きなご褒美が・・・―経営者がアウトプットという生みの苦しみを克服するには―Ⅱ
人間にとって最も苦しい行為とされる、0から1を生み出す作業に比較的近い「書く」ということ。
やり慣れているほかのルーチン的な仕事に比べて、1回1回が生みの苦しみを味わうことになります。
そうなのです。
人はやり慣れていることや昔からやってきたことであればそれほど抵抗なく取り組めるのですが、新しいこと、やり慣れていないことに対しては大抵の場合、かなり腰が引けてしまう動物なのです。
「書く」という作業は、それを毎回あえてやらなければならないわけですから、億劫に思えるのも無理はありません。
これは、車を動かす行為とよく似ています。
車は、エンジンを始動し走り出すときに一番燃費を消耗します。
しかし、一度走り始めた車は、徐々にスピードを上げていけば、あまりエンジンに負担はかかりませんし、燃費もそれほど悪くなりません。
何ごとも出だしの負担が一番大きいのです。
この出だしにおける「苦手意識のハードル」を克服する手段はないものでしょうか。
「こうすれば大丈夫!」
といった、なにか頼りになるうまい方法はないものでしょうか。
結論から申し上げますと、そんなお手軽な克服手段などない、ということになります。
やはり、0から1を生み出す苦しみというものは毎回つきまとうのです。
これがなくなることはありません。
ただ先に申し上げておきたいのは、このことには「大きなご褒美」が付いてくるということです。
これまでにも述べていますように、「書く」ということは、億劫で苦しい作業という印象が強いので、取り組む人は極めて少数派です。
しかし、この事実が大切なのです。
ということはつまり、少し頑張って取り組めば、明らかに差別化が図られることになります。
他にやる人が少ないのですから、これを続けるだけで目立つ存在になるのです。
しかもこれは、意図的に目立ちたくて目立つというものではなく、がんばっているうちに自然と目立つ存在になっていきますので、周りの反感を買うこともありません。
これは努力を続ける人にとっての「大きなご褒美」と言えるのではないでしょうか。
「書く」というのは大変。
つづく