最も効果的な市場調査とは、実際にリリースしてみること―メイドインジャパンンの不振からビジネスを考える―Ⅵ

まず、尖った要素を完璧に仕上げる理想形の「加点型の長期目標」が設定し、その長期目標を、プロセスに応じて、修正・更新できるよう自在にコントロールしていくという世界レベルのものづくり手法。

こういった手法や考え方において日本は決定的に後れをとっているようである。


具体的な進め方として、この記事ではさらに次のように解説されている。
―長期目標とは別に、短サイクルで回す短期目標も設けられ、これに基づき、いち早くMVPをリリースしていく。

そうして、市場の反応に対して迅速・柔軟に軌道修正を行いつつ、バージョンアップを重ねる

あるいは、初期の反応が悪ければMVPの段階で撤退することもできる。

この段階ならばダメージは比較的小さく、手を引きやすい。

「最も効果的な市場調査とは、実際にリリースしてみること」というわけだ。―


ここに述べられている「最も効果的な市場調査とは、実際にリリースしてみること」という考え方は、重要なポイントといえよう。

市場調査はマーケティングにおける基本中の基本の手法のひとつである。


通常、新しい商品を市場にリリースする際には綿密な市場調査を行なう。

アンケートや街頭インタビューなど様々な手法があるが、上記のように商品そのもので市場の反応を見ていくという考え方もあるのだ。


つまりこれは「トライアル&エラー」という手法で、日本語では「試行錯誤」と訳されているが、もう少し具体的なニュアンスを含んでいるようだ。

私自身、この考え方は昔から自らの事業において実践してきた。


ただ「とりあえずやってみよう。」というのは、あまり日本人のマインドには馴染まないようである。

これは結構社員からの反発が強かった。


新しいコンセプトを出すたびに、

「もっとちゃんとした計画の元にやった方がいいんじゃないですか?!?」

とか

「うまくいかなかったらどうするんですか?!?」

とよく言われたものである。


しかし、「トライアル&エラー」は現代経営において必須の手法と思っていたので、私はこれを繰り返してきた。

結果的にはそれでよかったのではないか、と思っている。

 

 

つづく