売れる商品がいい商品?!?―そろそろ「いい商品なら売れるはずだ論争」に結論を出すべき時―Ⅰ

昔から言われている商売上の言葉に

「いい商品であれば黙っていても売れるはずだ。」

というものがあります。

商品さえ良ければ黙っていても人がそれを求めてやって来るに違いない、という、言わば他者頼みの発想です。


ただ、さすがにこれを「その通り」という人は少なくなってきました。

いったい何故でしょうか。


それは巷(ちまた)に、いい商品、優れた商品というのは、いくらでも溢れているからにほかなりません。

特に品質に対する審美眼の厳しい日本では、その傾向は顕著で、今やメイドインジャパンは高品質の代名詞にすらなっているといっていいでしょう。


その結果、いい商品でありさえすれば黙っていても売れる、というのは、ビジネスの世界ではもはや幻想にすぎない、という結論に達しています。

これを裏付ける言葉として、中には、

「世の中に売れる商品というものはない。売れる売り方、があるだけだ。」

或いは

「いい商品が売れるのではない。売れる商品がいい商品なのだ。」

と、極論する人まで出てきているのです。


さて、このお話を私の所属する会計人の業界に置き換えて考えてみましょう。

いったいどういった現象が起きているのでしょうか。


現在、会計事務所では今2極化が進んでいると言われています。

それは、顧客の数をどんどん伸ばしている事務所と、どんどん減らしている事務所の2極化ということです。


売上を延ばしている事務所、減らしている事務所にはいろいろな要素や原因があります。

その要素や原因を分析すれば、打つべき手、やるべきことがハッキリしてくるはずです。

逆に、そこから、やってはいけないことも見つかるのではないでしょうか。


さてその中で、伸ばしている事務所に例外なく言えるのはどんなことでしょうか。

一つ言えるとすれば、それはSNSなどのデジタル媒体を活かして、自分の存在を誇示しているということです。


逆に売上を落としている事務所は、これまた例外なくそういった活動をほとんどしていません。

もちろんそれだけが原因ではないのですが、上記のような現象をこの点に絞って考えてみたいと思います。

 

つづく