日本では、他国に比して新しい産業が育っていない?!?―日本の産業構造を通じてアフターコロナを考える ―Ⅰ

先日、インターネットニュースを見ていたとき朝比奈 一郎という人の書いた

「コロナが来て分かった、日本社会が抱える3つの課題」

というタイトルのコラムが気にかかった。

このコラムでは、日本における今回の新型コロナウイルス禍が比較的軽く済んだことの分析と、今後の日本経済が抱える課題について触れられていた。

 

その中で、最後に触れられていた

「日本の産業構造の旧態依然さも浮き彫りに」

というタイトルの項が、アフターコロナについて考える際に参考になると思ったのでここで取り上げてみたい。

 

それは以下のようなものである。

(日本経済の抱える課題は)景気対策・経済構造の改革です。

コロナの影響により、中長期的に日本経済はかなり落ち込むことになることがほぼ確実ですが、深刻なのは日本の打撃の大きさです。

新聞報道などによれば、先進国の13月の企業の売り上げ減を見ると、日本は最悪で、8割減になりそうということです。

それに対してアメリカは34割、ヨーロッパは7割程度です。

 

 なぜこうした差が出てくるのかといえば、日本では、他国に比して新しい産業が育っていないからです。― 

 

確かに、自粛要請ということで、飲食店をはじめ日本の商工業はそのほとんどが活動を停止していた。

しかし、ロックダウンを強いられていたわけではないし、今回の新型コロナウイルス禍による直接の感染者や死亡者ははるかに少なかったので、逆にアメリカやヨーロッパよりは傷は浅いのかな、と思っていたが、経済の痛手はまた別のようである。

特にアメリカの痛手が、今のところ34割減というのは驚きである。

私は、アメリカもヨーロッパも日本と同等くらいか或いは上回るのではないか、と思っていた。

 

朝比奈氏は、その要因として「日本では、他国に比して新しい産業が育っていないからです。」と書いておられる。

やはりそうきたか・・・という感じである。

この点について、氏の解説を見ながら詳しく分析していきたい。

 

 

つづく