平時に「改革」や「革新」を積み重ねるのは苦手―財界OBが語る新型コロナウイルス禍において気づかされたこと―Ⅱ
日本企業に残る「判子文化」のような慣習に、強い警鐘を鳴らされていた経済同友会前代表幹事の小林喜光氏。
小林氏の抱かれている危惧に関しては、私も同様の感想を持っている。
インタビューによる小林氏の見解はさらに続く。
―だが、(日本は)敗戦時のようにどん底まで落ちると、強い復元力を発揮する。
政治家や国民は今こそ、「デジタルルネサンス」を起こす気概が必要だ。
人工知能(AI)など最新の技術によって産業構造や社会を変える「第4次産業革命」がいや応なく急加速するので、対応しなければならない。―
日本人特有のどん底まで落ちたときの強い復元力・・・・
同様のことは私も考えていた。
それは次のようなことである。
日本の場合、子どもの頃から与えられる読み書きそろばんといったベーシックな教育水準は昔から整備されている。
また、大人になってからの国民一人一人の知的レベルも、世界の先進国に比してもそれほど遜色はないはずである。
にもかかわらず、バブル崩壊以降、ズルズルと世界のビジネスシーンから後れをとっているのである。
いまだに、一向にしかるべきポジションを回復できないのは何故なのか、と不思議だったのだ。
その原因として考えられることに、どうも日本人は、平時において「改革」や「革新」を積み重ねていくのが苦手なようなのだ。
「改善」程度の進捗であれば受け入れられるのだが、デジタル革命のような大きな変化が起きても、従来の保守性が邪魔して「改革」や「革新」がなかなか進まない。
しかし、小林氏がおっしゃるように、敗戦くらいの大きなインパクトがあれば、もともとポテンシャルが高いだけに俄然力を発揮する。
私は3,11大震災のときに、日本の経済構造が大きく変化するのではないか、と期待したが、残念ながらそうはならなかった。
今回の新型コロナウイルス禍に際しては、そんな革新が起こって欲しいと思っている。
第4次産業革命は起こるのか?!?
つづく