ビジネスにおいて話し手の論理性や知性、思考力が問われるのは当然―財界OBが語る新型コロナウイルス禍において気づかされたこと―Ⅲ
敗戦の時のようなどん底まで落ちるくらいのインパクトがないと、なかなか変化に対応しようとしない、日本のビジネス文化。
そういった状況に経済同友会前代表幹事の小林喜光氏は強い警鐘を鳴らされる。
小林氏のインタビューはさらに続く。
― 人同士が顔を合わせる必要がある生産や研究などの職場を除き、働き方もテレワーク、オンライン化が進む。
「非対面」が広がれば、顔や背格好、ゴルフのうまさなどは価値を失い、話し手の論理性や知性、思考力がもっぱら問われる。
厳しい時代になるともいえる。―
ゴルフのうまさ・・・なるほどねー、と思う。
私はゴルフはやらないが、そんなことが今まで営業価値などを決めていたのか・・・と。
改めて日本の後進性に思いが至る。
そもそも、ビジネスにおいて、話し手の論理性や知性、思考力が問われる、というのは、当然のことである。
そういった本質的なことが2の次、3の次になっていたこれまでの日本のビジネスシーンの在り方がおかしかった、ということだろう。
ただ、こういった日本の問題点を指摘される小林氏にしても、「厳しい時代になるともいえる。」と、まるで他人事のように表現しておられるのが気になるといえば気になる。
というのは、「厳しい時代」はとっくの昔からそうなっていたからである。
日本が世界に取り残されていったのは、「ゴルフのうまさ」などにかまけて、論理性や知性、思考力といった本当に大事な点に力を入れてこなかったからにほかならない。
「ゴルフのうまさ」というのは「接待能力の高さ」ということを表している。
「和」を尊ぶ日本の企業文化が、論理性や知性、思考力に代わって、そういった方面に長けた人材を必要としてきたのであろう。
まあ考えてみれば、そんな企業文化では世界に通用しないことは、とっくに明らかになっていたのだ。
論理的にプレゼンできているか・・・・
つづく