コロナウイルスの封じ込めに失敗したアメリカ―「連携」することの大切さと難しさ
―Ⅲ(おしまい)

中国を敵視し「中国は敵だ。彼らに協力するな。」という方針を掲げるトランプ政権。

こういったアメリカの政策の結果、どうなったかというと、この記事では次のように指摘されていました。

 

―米政府は武漢ウイルス学研究所と関係の深いテキサス大ガルベストン校経由で直接ウイルスの試料を入手しようともしたが、中国政府の介入で頓挫したという。

世界保健機関(WHO)の調査団の一員として米国の専門家が中国入りしたのは2月半ばだった。―

 

アメリカの政策に対して、中国も対抗策を講じたことになります。

こういったやりとりのために、アメリカにおいては新型コロナウイルスに関する情報収集や研究の初動がかなり遅れたことになったのです。

 

その結果、医師同士、科学者同士の関係は今も良好のようですが、政府が互いを尊敬しあっているか、疑っているかで状況は大きく変わる、といった事態になっているのです。

 

さて、結果的にどうなったのか。

この記事は次のように締めくくっています。

 

―国際協力の代わりに、トランプ政権が1月末に打ち出したウイルス対策は、中国からの入国制限だった。

だが、CDCが開発した検査キットの不備もあり、国内感染は止められなかった。(中略)

水際が突破されたと気づいた時には、米国内での封じ込めも失敗していた。

 

という極めて悲劇的な結果になったのです。

 

この記事はアメリカやトランプ政権に対してかなり批判的に見えます。

確かにトランプ大統領は、おおいに問題のある人物ではありますが、一方、中国が信用できない国家であることもまた確かなことです。

 

やや中国寄りに見えるこの記事が、朝日新聞発信のものであることも少し引っかかります。

とはいえ、「アメリカ・ファースト(米国第一)」で進めば、今後もアメリカは様々な軋轢に直面することになるのではないでしょうか。

アメリカには然るべき姿勢で国際協調の道を歩んでもらいたい、と思います。

 

 

おしまい