地縁血縁義理人情ビジネスモデルの崩壊―新たな価値観の創造を模索する時代に―Ⅰ
地方において、税理士という地元経済に深くかかわる仕事をしていて、つくづく感じることのひとつに、
「日本の経済は、これまで強固な地縁血縁ビジネスモデルに支えられていたのだなあ。」
ということがあります。
日本人のこのモデルに対する執着心にはまだ根強いものがあるようです。
地方に行くほど、特にその傾向が強く、もっと具体的に「地縁血縁義理人情顔パスビジネスモデル」と呼んでもいいくらいの状況だと感じます。
ただこれは、ある意味最強のビジネスモデルということになります。
何故ならば、このモデルのもとでは、営業活動や販売促進活動というものがほとんど必要ないために、それらに要したであろう莫大な経費(人件費を含む)が節約できたのです。
営業や販売促進にかかる経費は、企業活動の中でも最も大きな支出になりますので、ここをカットすることができた、というメリットには計り知れないものがありました。
しかしながら、このモデルが最強であるためには一定の条件が必要になります。
その条件というのは、地縁血縁関係を構成する人口が多かったということと、そこに暮らす人々の消費マインドが旺盛であったということです。
地方の人口が極端に減少し、高齢化が進んだために購買意欲も縮小してしまった現代において、もはや「地縁血縁義理人情顔パスビジネスモデル」はその存在基盤を失ってしまいました。
上記の条件を満たせなくなった今の世の中では、これは崩壊せざるを得なかったのです。
ただ、ここで誤解しないでいただきたいのは、「地縁血縁」や「義理人情」といったものが、世の中から消えてしまった、と言っているわけではありません。
また、そんなものはいらない、と言っているわけでもないのです。
もちろん、こういった価値観や風習といったものは日本人の中に根強く残っており、一つの心の拠り所として大事なものでもあります。
とはいえそれは、個々人のプライベートな世界で実現すべきであり、もはやビジネスに持ち込むには脆弱すぎる価値基準になったのです。
つづく
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