逸してしまった、神が与えたもうた最後のチャンス―男はいくつになっても・・・我が儘を自覚しない?!?―Ⅷ(おしまい)

さて、この男性の「人望」という拠り所すら否定された出久根氏は、最後にこの相談の回答を、次のように締めくくっておられた。

奥さまの言い分を私は信用します

仕事をがんばり、家族に不自由させなかったと力説しても、奥さまを泣かせるような男は男ではありません。

今すぐ奥さまに謝罪しなさい。

ゴルフなどやめて、奥さま孝行に専念しなさい。―

 

ここで面白いのは、ひとこともその肉声など聞いていない「奥さま」の言い分を私は信用する、と出久根氏が言っている点である。

この男性はおそらく、自分の言い分の方が正しいのではないか、と相談を持ち掛けたつもりだったのだろうが、それでもなお、奥さんの方に分があるといわれてしまった。

第3者にそう思わせるくらい、彼の言っていることやこれまでの行動はわがまま放題だった、ということである。

 

彼の相談を読んだ大抵の人はそう思うだろう。

しかし、そのことが当の本人にはまるでわかっていない、というところがこの相談の興味深く、面白いところであった。

 

私は、このブログの初めの方で

「俺は人並よりよく働いて多く稼いだ。だから家族は俺に感謝しろ、という言い分は、家族の側からしたら必ずしも納得のいくものではない。」

と書いたが、出久根氏も同じように思っているようだ。

 

仕事とゴルフで家族のことなど何も顧みなかった夫に、奥さんは

「一緒に過ごす時間を増やしてほしい」

と、一度はこちらから水を向けたのだ。

考えてみれば、神が与えたもうた最後のチャンスみたいなもん、だったのである。

 

にもかかわらず、それすら拒否したのだから、何をかいわんや、である。

最後通牒を拒絶されたらもはや全面戦争しか残された道はないのだ。

 

これほど完膚なきまでに相談者の立場を否定した回答も珍しい。

しかし、今回の相談はそう回答するに相応しい内容であった。

 

出久根氏の言われる通り、謝ったとして、奥さんの怒りが収まるかどうか何とも言えないが、確かにこの相談者の男性に残された道はそれしかあるまい。

私も出久根氏同様、奥さま孝行に専念されることをお勧めする。

 

 

つづく 

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