コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅩ
ここまで、トレンチだのダッフルだのステンカラーだのと、わりと世間的にはよく知られているタイプのコート(カメラマンコートは別として)を選んできた私であった。
そんな中、大学院に通いつつ、友人と立ち上げた会社を経営しながら購入したのは、それまでと少し違ったコートだった。
そのコートというのは、昔父がときどき口にしていた「ダスターコート」である。
今「ダスターコート」という言い方はほとんどしないと思うが、昔の会話などで大人たちが口にするのを、時おり耳にしていたように記憶している。
意味を調べてみると、
「ダスターコートとは、春先等に着るほこりよけのための丈が長くてゆったり目の薄手のコート」
と書いてある。
私が購入したものも、デザインはプレーンなステンカラーコートに近かったが、確かにオフホワイトの丈の長い薄手のコートだった。
ダスターの意味自体は
「ちりやほこりを払うもの。ぞうきん・はたき」
とあるので、へたすれば「ぞうきんコート」ということになる。
時として、直訳は思いもかけない意味になることがある。
そういえば、誰だったか、確か服飾評論家のひとりが「ひどいネーミングだ!」と、憤慨していたのを読んだことがあるが、なるほど意味をたどればその通りである。(本当は「埃よけ」と解釈してほしかったのだろうけど・・・)
ちなみに、これは日本独自のネーミングで、アメリカやイギリスでは使わないらしい。
名前の由来はともかくとして、そのゆったり具合が、その後のタイトなシルエットが主流になってきたとき、流行に合わなくなったのでこれも手放してしまった。
ゆったり目が戻ってきた現在、やはり取っておけばよかったかな、と少し後悔するコートではある。
そのほかにも、リバーシブルのものとかも含めてハーフコートを2枚くらい買ったような気がするが、はっきりとは思い出せない。
このあたりまでが、私が東京在住時代に購入したコートの話である。
鹿児島に居を移す際に何着かは持ってきたが、それも前述のようにほとんどは手放してしまったのである。
このあとは、鹿児島に帰ったあと購入して、今でも所有しているコートの話になる。
これも昔の恥ずかしい写真。バーバリーのトレンチコートを着ていますな。
つづく