コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅡ

コートの記憶をたどると、私が生きてきたその時代その時代のいろいろなことを思い出す。

今みたいにスマホの写メで写すことができれば、画像でもっとその記録も残っているのだろうが、浪人時代、大学生時代から含めると、あまり金も持っていなかった頃なので、写真などほとんど残っていない。

 

高校を卒業して東京に出ていくとき、親に買ってもらったのが確かマクレガーのPコートだったように記憶している。

ネイビーのごく普通のものだったように記憶しているが、ボタンの錨マークとかダブルのデザインとかがなんだか恥ずかしくてそのときは好きになれなかった。

 

Pコートの出自(イギリス海軍だかフランス海軍だかが正式に採用していたという)とか着こなしとかがその時わかっていれば、そんなに嫌うこともなかったのだろうと思う。

とにかく、件(くだん)のPコートはその後東京で友人のコートと交換してしまった。

 

交換してこちらの手元に来たコートのことは思い出せない。

いったい、どんな代物と交換したんだっけなあ・・・

まあいずれにしろ、そっちも大してセンスのいいものだったはずもないのだが・・・

 

浪人中だったか大学に入ってからだったか忘れたが、とにかく最初に買ったのはトレンチコートだった。

若い身には結構ハードルの高いと思われるトレンチが、あの頃なぜ欲しかったのだろう?

 

予算には限りがあるし、あの頃はどんなブランドのものを選んでいいのかもわからなかった。

結局、メーカーやブランドでは選び方がわからないので、日本橋の三越まで足を延ばしたのである。

 

たぶん、

「三越だったら間違いないだろう。」

と、ブランドなどで選べない分、デパートの格を信頼するという作戦に出たのだと思う。

ちなみに、買い物にも慣れてしまったその後は、50年くらい一度も日本橋三越など行ったこともない。

 

     ヨーロッパは寒いので、わりと1年中コートを手にしていますな。

 

つづく