シビアなビジネスシーンでは外見は「武装」である―「外し」の楽しみ・・ファッションはド直球だけじゃつまらない―Ⅳ

「外し」に使うにはちょっと勇気のいるネクタイ。

見える部分が結構大きいだけに、センスとテクニックが必要なのかも知れません。

 

ビジネスウエアの場合は、「外し」に使える「小物」は限られてきます。

基本的にビジネスウエアは、テーラードのジャケットに同素材のパンツ、カチッとしたシャツにネクタイ、靴は通常革製の紐(ひも)靴(「オックスフォード」といいます。)、少し崩してもスリッポンまで、と、ほぼそのルールが決まっており、あまり「外し」の余地がありません。

 

ビジネスシーンのシビア度にもよりますが、上記の基本的なスタイルに「外し」を持ってくるのは、なかなか難しいのです。

シビアなビジネスシーンになればなるほど、外見というのは「武装」に近い意味合いを持ってきますので、あまり「外し」てなどいられないことになります。

 

そこまでシビアではない、通常のビジネスシーンの場合、少し肩の力を抜いた「外し」を入れることも可能です。

そのちょっとしたワンポイントが仕事の話やその場の雰囲気を少し柔らかいものにしてくれるかも知れません。

 

そういう意味では、ポケットチーフというのは最適の「小物」かも知れません。

日本ではまだこれを挿している人は圧倒的に少ないので、初めは少し抵抗があるかも知れませんが、慣れてくると、逆に挿していない方が何となく胸元が寂しく感じるものです。

 

ポケットチーフとネクタイをペアで販売しているケースもあり、この二つを合わせるのが正しいと思っている方もいるかも知れません。

しかし、どうやらそうするのは野暮の骨頂らしく、両者は全く違って構わないようです。

 

ネクタイと同系色にするか、あえて反対の色を持ってくるかは、その日の気分次第、程度でいいのではないでしょうか。

私も特にこだわっていません。

ただ、無造作に挿している、といった雰囲気は出すように気をつけています。

 

テレビ局との懇親会で女子アナと。この日はネクタイのグリーンとチーフの色を合わせています。

 

つづく