趣味はいるのか?―何もない人生と言われたとしても・・―Ⅲ
「俺って趣味が無いよなあ・・・」
そんなことをボンヤリ考えていたら、
「あ、これだったら自然に入っていけるかも・・」
と、言うものを思いついた。
それは「料理」である。
これにはそれなりの理由がある。
核家族として東京で暮らしていた娘たち(長女と次女の二人)が、出産の時期に入った。
カミさんは、娘たちのサポートに入るために、私を一人置いて東京に行ってしまったのである。
学生時代や独身時代、一人暮らしも経験しているので、掃除や洗濯には特段困らなかった私であるが、3度3度のご飯にはいささか戸惑った。
最初、外食やコンビニ弁当で済ましていたが、すぐに飽きてしまったのである。
と、そんな経緯もあって、やむにやまれず飯を作り始めた。
初めはネットなどを利用して、クックパッドなどのレシピを見ながら、見よう見まねで作ったりしていた。
しかし、生来そんなに几帳面な方ではないので、それもめんどくさくなってきたのである。
私は好き嫌いがあまりなく、何でも食べられる方である。
なので、多少、料理の仕上がりが失敗していたとしても、食べられない、ということはない。
という事情もあって、自分のオリジナル料理を作り始めた。
あれとこれを組み合わせたらどうなるだろう?などと考えたら、やって見なくては気がすまなくなってきたのである。
昼間、仕事の途中、ふと晩御飯のことを考えて
「そうだ!今夜はあの素材とあの素材を組み合わせてみよう。」
などと考えている自分がいる。
仕事を終えて家に帰ると、昼間思いついた材料を組み合わせで作ってみるのだ。
思い通りだったこともあれば、失敗に終わることもある。
多少失敗だったとしても、私は食ってしまうので、関係ないのだ。
これはオリジナル料理の勝手にグラタンという奴です。
つづく