コンサルティングは未来に対するアプローチ―社長が二足の草鞋(わらじ)を履く理由―Ⅰ
私は、税理士とコンサルタントという二つの顔を持っています。
昨今、中小企業が急速にその数を減らしてきており、税理士の仕事が厳しくなってきている、と言われています。
そういう背景があるために、将来食うに困らないように無理矢理コンサルタントをやっている、というわけではありません。
この二足の草鞋は、必要性があり、切っても切れない関係なので続けているのです。
そもそも会計というのは基本的に過去のデータの整理です。
済んでしまった経済取引を正しく記録し、計算し、整理するのです。
整理された企業業績の1年分の総決算が、財務諸表(決算書)という形で表現されます。
その会計上の決算書を基に、税務的な解釈とルールを加味して申告書を作成するのです。
この一連の税務会計的処理のプロセスにおいて、将来の企業活動に対して、我々の立場からどうするこうするというアプローチは一切出てきません。
それはまた別のものなのです。
これに対してコンサルティングというのは、ほぼ未来に対するアプローチだと私は思っています。
企業が、現在から未来に対してどう成長発展していくのかを、独自の手法において考え、有効な手立てを提供していくものだと考えます。
中には、決算書を分析してどうのこうの、というコンサルティングもありますが、会計の専門家としては、正直言ってそれで企業の未来が大きく変わるとは思えません。
弱点に対する若干の矯正くらいはできても、企業の未来を形成するほどのコンサルティングにはなり得ないのです。
未来に対しては、それ専用のコンサルティングが必要です。
私はその方法論について自分で考え、実践し、結果を出しました。
それを体系化したものが、私の提供するコンサルティングということになります。
ただ、このビジネスと会計の分野とのギャップがあまりにも激しかったので、結果的に二足の草鞋を履くような形になったのです。
税務会計は、過去データの正しい計算が必要です。
つづく