今年もやってきた健康診断―1年経つのは早いもんだ―Ⅲ
ペタペタと歩いて身長、体重、視力検査の部屋へ向かうと、前回と同じ担当の看護婦さんが待っていた。
「あら、今年はおひとりですか?」
いつもカミさんと来るのを覚えていたようだ。
「へぇー、今、独り者なもんで・・・」
と、間抜けな返事をする。
体重はいつも
「着ている服の分は引いてくれ。」
と頼むのだが、そのまま書かれるので、ややオーバー気味に記録される。
1キロは違うと思うのだが・・・
身長は昨年からややショックである。
一番高かった頃より3センチ近く縮んでいる。
腰痛のせいであろうか。
一生懸命背筋を伸ばすのだが、ダメだ。
このまま縮んでいくのはやだなあ・・・・
視力も年々怪しくなっている。
眼鏡をかけていても、1,0まででない。0コンマいくつにとどまっているのだ。
これもこのまま衰えていくのはまっぴらだけど、どうなることやら・・・・
さて、ここの検査が終わるとレントゲンである。
また廊下をペタペタと歩いてレントゲン室のある一角まで足を進める。
前に一人検診を受ける人がいたので、廊下にポツンと座って順番を待つ。
やがて、呼ばれて、例の
「はい、息を吸って止めてぇー、動かないでぇー・・・はい、お終いっ!」
という奴を済ませる。
あとはいよいよ胃カメラである。
毎年これも欠かさないでやっているが、事前に飲まされる薬には、いつも辟易する。
何やら、胃の泡を消す薬らしいが、
「もうちょっとましな味付けにできんのかいっ!」
と文句を言いたくなるくらいまずいのである。
今回はその上に、
「胃にまんべんなく薬をいきわたらせたいので、右に左にゴロンゴロン転がってください。」
と言われた。
こんなのは初めてである。
「狭い待合室の畳の上でどうやってゴロンゴロンするんじゃい!」
と、言いたくなるのを我慢して、無理やりゴロンゴロンした。
つづく