難しさを増す対顧客戦略という対外的な部門のあり方―社長の「情報発信」は何故それほど重要なのか―Ⅰ
私は仕事がら、様々なコンサルタントの方と交流がありますが、コンサルティングの仕事というのは、実に多様なジャンルに広がっています。
名目としては、営業コンサルタントであったり、或いは商品開発コンサルタント、工程管理コンサルタント、人事コンサルタント、それにセルフイメージコンサルタントなど、多士済々です。
一部のコンサルティング(個人のFPなど)を除けば、そのほとんどは事業業績が良くなるため、企業の成績が上向くためのものと言って差し支えないと思います。
私も、中小企業を支援する立場としてコンサルティングも手掛けますが、もちろんそのつもりで仕事に臨んでいます。
実際、クライアントの企業業績が上向かなければコンサルティングの意味がありません。
私が手掛けているのは「情報発信」に関するコンサルティングということになります。
これは、企業活動の中では、いわゆる販売促進部門に属するもので、企業本来の業務(営業、販売、製造など)を援護射撃する位置付けのものと言えるでしょう。
それは、企画、設計、製造、労務、人事といった内側の仕事には関係なく、外に向かってどう対処していくか、といった点を主眼に置いたものです。
企業内の、組織編成や従業員のモチベーションアップ、或いは仕組み作りといった種類のものではありません。
つまり、営業、販売といった企業の外に向かう部署、即ち企業業績に直結する部門に深く関係する分野と言っていいのです。
こういった、顧客に対する戦略をどう組み立てて行くかという、対外的な部門のあり方が過去に比べてかなり難しくなっているために、いずれの企業も苦戦しているというのが現状ではないでしょうか。
つづく