そんなことも知らんのか!―税理士=怒る人、について考える。何故そう思われているのか・・―Ⅲ

業績が悪かったからといって、税理士が怒り出すということはないだろうというのが私の意見であるが、ほかにどんなことが考えられるのだろうか。

社長さんはさらに話を続ける。

 

「あと、税金の知識とかに、ぼくらがあまりに素人なんで、『そんなことも知らんのか!』と、怒るんじゃないですか。」

と彼がさらに推測する。

それはあるかも知れないなあ、と私も思う。

 

私はどんな初歩的な質問をされても怒ることはしないが、中には、上から目線で『そんなことも・・・』という人がいるのかも知れない。

まあそれでも、怒って言うほどのことでもないだろうと思う。

 

そもそも、税務や会計の知識不足や勉強不足を怒ってもしょうがない。

それを丁寧に教えてあげるのが我々の役目なのではないのか。

そこで怒っては、こちらに力量がないことを認めるようなものである。

 

あと考えられるのは、不正を打診された時というのはあり得る。

数字をごまかす相談をもちかけられたとき怒る、というのは考えられる。

 

しかし件(くだん)の社長さんは

「ぼくの場合、もともとよくわからないからそういう相談をこちらから持ち掛けるということはしませんね。数字とか税金については、税理士さんに『こうなりました。』と言われたら、ぼくはそれに従います。」

ということであった。

 

まあ、考えてみれば、そういうことを持ちかける社長さんは、そもそも厚かましいところがあるわけで、怒られることをビビッたりはしないだろう。

逆に、昔は利益が出るとそれこそ怒り出す社長さんがいた、とは聞いているが、今はそんなこともなくなった。

 

 

 

つづく