「情報発信」は事業の中における販売促進策の一つ―経営者の「情報発信」は誰に向かってのものなのか―Ⅱ
さて、話は戻りますが、「情報発信は、顧客或いは顧客候補に向かって行なうべし」というのは、極めて重要なポイントです。
ここがはっきりしていないと、どうでもいいような話を言い散らす、書き散らすということになりかねないからです。
そもそも、私のコンサルティング分野である「情報発信」は、本質的な意味で事業の中核をなすものではありません。
事業の中核をなすのは、例えば製造業であれば製造技術や作られた製品であり、流通業やサービス業であれば営業活動であり販売そのものということになります。
これに対して「情報発信」は事業の中における販売促進策の一つということになります。
それは、先に述べた中核をなす部分を援護射撃、つまり、補完サポートするものなのです。
とはいえ、中小企業の場合、この販売促進部門が事業を遂行していく上での大きな弱点となっているために、何らかの手段で強化する必要があるのでは、と私は考えてきました。
中でも、先に述べた「誰が顧客であり顧客候補なのか」という、ターゲットの選定がはっきりしておらず、そこに対する情報の発信力も極めて弱かったからです。
また、わかっているつもりでも、それはもう陳腐化した昔のイメージの顧客候補であったり、現代的な市場(マーケット)の把握がずれているケースが多く見られたからです。
私が中小企業の販売促進部門をサポートするのは、こういった現状を見て、ターゲッティングに関する見直しが必要と感じたからにほかなりません。
情報発信の現場
つづく