夢でもいいから会いたいよ・・・―こんな夫婦の絆もあるのか・・・―Ⅰ
読売新聞の「人生案内」はほぼ毎日読んでいる。
「私は内気な性格で友達ができなくて・・・」などという書き出しのときは飛ばしたりしている(自分で何とかしなさい、としか思えないので・・)が、ときおり「おっ!」という内容の相談があったりする。
先日読んだ相談は珍しかった。
それは「60年愛した夫を亡くす」というタイトルだった。(2019年5月10日付)
書き出しを引用してみよう。
―昨年の2月、60年間連れ添った夫を亡くしました。あまりにも突然で、今でも大きな悔いが残っています。
夫は明るい性格で、働き者でした。私は夫が大好きで一時も離れたくはありませんでした。―
この書き出しだけでも「ほほーぅ!」と思う。
人生相談でこんな書き出しは珍しい。
この手のテーマのときは、大抵「主人には50年間DVで苦しめられました・・・」とか「ケチで辛抱の連続でした・・・」とかで始まる相談がほとんどだからである。
昔は、解答者も「間(あいだ)に誰か人を立てて、もう一度二人でよく話し合ってみては・・・」とか「他に趣味を見つけて気を紛らわせなさい・・・」とか無難な着地点を示すことが多かった。
「別れなさい・・・・」という答えは少なかったように記憶している。
近年は「離婚に向けて準備を進めなさい・・・」とか「子供たちと共闘戦線を組んで、いつでも独り立ちできるようにしておきなさい・・」とか、現状をはっきりと打開させるような答えが増えている。
ときには「なぜ、いつまでもグズグズと別れないのですかっ!」と一括するような解答も出てきているのだ。
そんな中、今回のように、亡くなった旦那さんをこんなに慕うような相談というのは珍しい。
私は思わず読み入ってしまった。
つづく