電卓と決算表

中小企業金融円滑化法の要点と対策 ~前編~

◆すべての貸出が返済猶予されるわけではない◆

 中小企業金融円滑化法は、金融機関に対して、中小企業から返済の負担軽減の申し込みがあったときに、親身に相談に乗り、その会社の事業改善や再生の可能性、経営力などを総合的に審査して、返済計画策定の助言や条件変更後のモニタリングを求めたものです。

 この法律によって、「すぐにも月々の返済を待ってくれるのでは…」との期待を持った方も、誤解してはいけないのは、すべての貸し出しに対して、一律に返済猶予等を決めた法律ではないということです。あくまで、金融機関と今後の「経営改善計画」「返済計画」を検討したうえで、その実現に必要な貸し付け条件の変更等を行うことを求めています。また、経営改善計画がなくても、1年以内に計画を策定できる見込みがあれば、先に貸し付け条件の変更等を行ったうえで、金融機関と一緒に計画作成の検討を行うとされています。

 金融機関が、条件変更とに応じられない場合には、中小企業が納得できて、次の改善行動につながる断り方をしなければならないとされています。つまり、門前払い的な断り方をしないようにという意味です。

◆中小企業は積極的に情報開示や財務報告をすること◆

 金融機関に「経営指導、経営相談をすること」を求めていますが、これは資金繰りがどうすれば円滑になるかを助言しなさいという意味です。 そのため、借り手である中小企業も、自社の経営状態等をしっかりと把握して、経営者が自分で金融機関に自社の現状、将来の見通し、財務状態を正しく説明することが必要になって来ます。

 貸付変更等を行っても、不良債権とみなされないためには、下記のような経営改善の具体的根拠を確認できること、経営者に経営改善計画を作成し、それを実現する医師があることが前提となっています。

【1】資産の売却等によって財務内容を健全化することができる

【2】まだまだ経費や役員報酬を削減できる

【3】新商品開発や販路の拡大によって売上アップができる

【4】その会社の技術力や販売力、成長性から時間をかければ改善可能と判断できる