そうか、誰も自分と同じようにはならなかったんだ!―我ら何をなすべきか!?!常にそれを考えてきた―Ⅰ
田舎でずっと会計事務所を続けている。
今さらながら何を言っているんだ!と、思われるかも知れないが、結構不思議な事実に気がつくのだ。
私の子供の頃からすると、町の人口は半減した。
いや、半減以上である。
私が育ち、今事業を行なっているこの町から事実上商店街は消えてしまい、既に町の体(てい)をなしていない。
不思議な事実というのは、この人口が半減以上になってしまった町で会計事務所という事業を売上約2倍まで持ってきたのである。
2倍というのは私が東京からここ鹿児島へ帰ってきて父の事務所を受け継ぐ前に比べての話である。
父の時代も下降線をたどっていたわけではないので、ずっと売上だけは伸ばしていることになる。
つい、3,4年前この事実に気がついたのだが、周りを見渡してみるとこれは稀有なことなのだ。
誤解しないでいただきたいのは、何もこんなこと、自慢したくて言っているわけではない。
そうではなくて、この事実に気がついたとき、改めてハッと驚いたのである。
「そうか、誰も自分と同じようにはならなかったんだ!」
と。
子供の頃、一緒に遊んだのは、同じ町内の商売をやっている家の子弟が多かった。
私たちの周りの家庭は、総じて当時では所得が高く、サラリーマンの子弟など他の子どもたちよりは豊かに暮らしていてように思う。
しかしながら、その彼らが親の商売を継いで、それをさらに大きくしている、という話は皆無である。
というより、親の商売の方はそのほとんどが廃業してしまった。
一緒に遊んだみんなが、どんな暮らしをしているのかはわからないが、親の商売を引き継がなかったことだけは確かである。
田舎の事務所です。
つづく