は、はっぴゃくまんえん!!・・・・―ハッタリの効用?想定を超えたテーマは人を成長させる―Ⅳ

もちろん話はこれで終わらない。

「そうですか・・では頼みたい案件があるのですが、いいですか?」

と、念を押されて出されたのが、それまでの我々の想像を超えるデカい案件であった。

 

「ある企業が、テーマパークの建設を考えています。

予算は600億円ほどのプロジェクトです。

ついては事前調査をして、そのニーズがどれほどあるか知りたい。

テーマパークに対する意識とか需要など調べることができますか?」

というものであった。

 

話のなにもかもがデカい!

テーマパークたって、ディズニーランドか日光江戸村くらいしか思いつかない。

アミューズメント施設に対するノウハウなんてまるでないのだ。

 

にもかかわらず、

「わかりました。では少しお時間をいただいて調査設計書を作ってきたいと思います。」

と、やはり、0.2秒で答えていたのである。

 

「ああそうですか。それは良かった。ただ、今回はあまり予算がないんだよね。そこのところ大丈夫?」

と聞かれた。

「あのう、ご予算はどれくらいなので??」・・・・

 

それまで金のことなど考えてもいなかった。

恐る恐る尋ねる。

すると

「8、なんだよね。それくらいしかなくって・・・」

との返事。

 

「8?」・・・80万円てことか?

『確かにちょっと少ないかな、ま、でもどうにかなるかな?!?』

と、心の中でソロバンをはじいてみる。

そんなこんなで、ぐじぐじ考えていたら

800万円なんだけどいいかな?ま、今回はそれしかないから仕方ないんだけど・・・」

・・・・・

 

こ、これは全く予想していない金額だった。

心の中で

「は、はっぴゃくまん!!・・・・」

と反芻する。

 

 

 

つづく