『ヤングマーケット』に『アミューズメント』??―ハッタリの効用?想定を超えたテーマは人を成長させる―Ⅲ

N総研の主任研究員さんとの打ち合わせもだんだん本質論に入ってきた・・・

すると途中で

「あなたたちは『ヤングマーケット』には強いですか?」

と、聞かれた。

何に比べて強いのか弱いのか、よくわからなかったが、とにかく0.2秒で返事をしたのである。

 

「ああ、『ヤングマーケット』でしたら、最も得意な分野です。なあ?(と、隣の同僚Tを見る。向こうも「その通り」という顔をする。)彼らとの人脈もありますし、普段の接点もかなり多いですから。」・・・

いかにも「まかしてくれ!」と言わんばかりの勢いでそう答えた。

 

その頃、たまたま学生たちと親しくしていたことは確かである。

ただ、学生たちとの接点を『ヤングマーケット』がどうのこうのなどと捉えたことなど一度もなかった。

そもそも『ヤングマーケット』・・・・今聞けば、なんだか恥ずかしくなるような言葉ではある・・・・・

 

うそをついたわけではないが、まあ、単なる知り合いというだけのことである。

それを、「仕事の上でどうなのか?」と聞かれたので、とっさに「大得意です!」と答えたのである。

 

まさにハッタリであった。

「そうですか・・」主任研究員さんは、我々のハッタリを信じたようだ。

 

話がさらに進むと、今度はこんな風に聞かれた。

『アミューズメント』についてはどうですか? ノウハウはありますか?」

 

「・・・アミューズメント??なんだっけ?確か、遊ぶとか楽しむといったような意味だったような・・違ったっけ?どうだったっけ?」

と、心の中で一瞬迷ったが、やはり0.2秒で答えていた。

「アミューズメントといえば最も得意な分野です。日本で一番わかっているんじゃないですか、僕らが。」

 

いやはや何とも、とっさにこれだけのハッタリが口から出たもんである。

仕事を取りたい、受注が欲しいとはいえ、言葉の意味さえ曖昧な案件を「日本一」とまでほらを吹いて取りにかかる・・・

なんてやり方をしていたんだ、俺たちは!・・・

 

 

つづく