Nグループ帝国に圧倒される―ハッタリの効用?想定を超えたテーマは人を成長させる―Ⅱ

N総研の主任研究員のお問い合わせにFAXを送って、30分ほどしたら、また先方から電話があった。

「そちらの会社内容は大体わかりました。じゃ早速会いましょうか。」

との返事である。

 

N総研といえば、日本一のシンクタンクと言われていた。

マーケティングリサーチ会社を設立して約2年。

DMを出したとはいえ、こんなに早くN総研レベルをお相手に接触できるとは思わなかった。

 

翌日のアポを取って、その時一緒に会社を経営していたTと二人で出かけていったのである。

横浜郊外にあるN総研のビルはとてつもない高層ビルで圧倒される。

他に2棟デカいビルが建っており、さながらその周辺はNグループ帝国の様相を呈していた。

 

入ろうとしたらいきなり180センチは優に超えるガタイのいいガードマンに遮られた。

どうも我々の風体を怪しんだようだ。

 

我々が

「これこれの部署とアポを取っております。」

というと、何やら内線で中の担当者と話をしている。

やがて、ごついガードマンとは対照的な可愛らしい女性が出てきて我々を中に案内してくれた。

 

ビルの中は広々とした空間で、通された打ち合わせブースもゆったりとしている。

少し待つと、昨日電話で話した主任研究員のSさんが現れた。

 

「DMと会社案内は拝見しました。いろいろと手掛けておられるようですが、他に何か特徴はありますか?」

と聞かれたので、これまでこなした案件などを詳しく説明する。

数はまだ少なかったが、当時の興味深い案件などいくつか手掛けて実績を積んでいた。

 

 

つづく