長く通じる有用な知識や情報、即ち「教養」を手に入れる―劣化したオッサンさんにならないために―Ⅹ
オッサンが容易には応じないであろうパラダイムシフト。
それでも、それに応じて「サーバントリーダーシップ」を発揮するとしたら、オッサン側はどのようなアプローチをすればいいのであろうか。
その点について、この書評では次のように書かれている。
―年長者の知的パフォーマンスの劣化を防止するアプローチがひとつだけある。
それは「劣化しない知能を身につける」ことだ。
これからオッサンがサーバントリーダーシップを発揮して社会に貢献するためには、若手に対して深い思考を促すような、本質的な問いかけができるようになる必要がある。
そしてそのためには「教養」が不可欠だ。
旬の短い知識ではなく、長いあいだ有用な知識や情報を身につける努力をするべきである。―
「劣化しない知能を身につける」・・・これはかなり難しい課題である。
というのは、普通の場合、新しいものに対する知的好奇心というのは、年を取るにつれて縮小していくからである。
「新しいことを覚えなくても、これまでの蓄積で何とかこなそう。」
という思いが年々強くなってくるのだ。
基本的に、新しいことはめんどくさい、というマインドがムクムクと頭をもたげてくるのである。
こういったオッサンの傾向に対して、私なりに自分に課しているセーフティーゾーンというものがある。
それは苦手だったり、とっつきにくいような新しい技術や情報、知識であっても決して否定的にならないということである。
ともすればオッサンは「コンピュータにばかり頼っているからダメなんだ。」とか「便利かもしれないけどうちには関係ない。」とか、なんだかんだと理由をつけて、自分が理解できない新しい手法やテクノロジーを否定する傾向がある。
それを言い出したらおしまいだ、と私は思っている。
ただし、そこまではあくまでもセーフティーゾーンである。
その領域を超えて、若手に対して深い思考を促すような、本質的な問いかけができるような、旬の短い知識ではなく、長いあいだ有用な知識や情報、即ち「教養」を身につけるにはどうしたらいいのであろうか。
つづく