プレゼンテーションのもう一段上のレベル「共有・共感」―社長の「自己プレゼン」は営業以上の効果―Ⅲ
これからは、こちらからの一方通行である「自己アピール」よりも、理解や納得を得るための「自己プレゼンテーション」が大事ではないかと考えた私。
しかし、それだけではまだ何かが足りないと思うのは何故なのか。
その点についてさらに考えてみましょう。
というのは、営業の現場では、「理解や納得」を得られたのだけれども、残念ながら最終契約までは至らなかった、というケースも、実務では多く見られるからです。
いったい何故そんなことが起こるのでしょうか。
そこで私は、「理解や納得」に加えて「共有、共感」という言葉を考えてみたいと思います。
それは、ここまで突っ込んで考えなければ、こういったケース(最終的に断られるという)は解決できないと判断したからです。
通常、「プレゼンテーション」というのは、充分な情報(資料・データ等)を通して「理解や納得」を得るために、相手に対して営業的な説明を行なう行為を指します。
この行為が一定のレベルで成されたならば、普通の場合、営業上の交渉は成立するはずです。
しかしながら、交渉相手との「契約」という具体的かつ踏み込んだ関係にまで持ち込むには、もう一段上のレベル、「共有・共感」まで行かないと難しいのではないかと思うのです。
というのは、「共有・共感」は、単なるメリット、デメリットといった判断を超えた、より親近感を伴う心理的な状況を指すからにほかなりません。
「プレゼンテーション」は、これまで一般的に行なわれてきた営業、売り込み、説明、説得・・・といったビジネス上の方法論とは一線を画す、新しいコミュニケーションのあり方と考えてもいいのかも知れません。
つづく