競争相手は敵とみなす?―敵は誰なのか?ライバルを受け入れる度量が大事ーⅢ
私は、何かマイナスの事態が起こっても、それを未来に向かってプラスになるような思考にできるだけ持って行こうと心掛けています。
これは、そういう考え方をした方が、いろいろなことに対して前向きでいられる、と踏んだ私の一つの処世術なのです。
しかし、残念なことに地方においては全く逆の現象が普通に起きています。
つまり、ほとんどの場合、ライバルというか競合相手を敵とみなして反目し合っているのです。
かつて、地域のビジネス(この場合「商売」と呼んだ方が適切かも知れませんが・・)は、地縁血縁社会をベースに成り立っていました。
地方においても、人口が多くかつ人々の購買力が旺盛だった頃は、「地縁血縁」がベースでも充分それぞれの商売が成り立っていたのです。
ところが、その地域社会がスカスカになってきた結果、少ないパイを取り合わざるを得ない状況になってきているのです。
そうすると、同業者のどっかの商売がうまくいっている、となれば、必然的にこっちのお客さんが少なくなっていることを意味します。
同じエリア内に繁盛している商売があって、こちらがさほどでもなければ面白くないわけです。
私は、もともと地域社会そのものが、それほど仲良く暮らしていたとは思っていませんでしたが、経済的に潤っていた頃は、少なくともそのことでいがみ合う必要はなく、微妙なバランスの上に成り立っていました。
ところが、それ(経済的な基盤)自体危うくなってきた現在、ライバルは健全なる競争相手ではなく「敵」と見なさざるを得なくなってきたことになります。
ここに「地域社会」の悲劇があるのです。
関係性が濃いために、一度いがみ合ったならば、それが修復不可能なほどに深い溝となって両者の間から消えないことになるのです。
つづく