「自分が至らないのかも・・」というところに全く思いが至らない?―「20代で知りたかった30代の正解」を読んで―Ⅴ
マッチングアプリで知り合った男性から積極的なアプローチがない、と相談に来たAさんのことを、菊乃さんは次のように解説します。
―草食系男子だから、誘ってこないって本当にそう思っている?
彼が頑張って話したのに会話を広げる努力をしなくて、一緒にいてつまらなかったのかもしれないですよ。
笑顔がなくて、表情に乏しくて居心地が悪かったのかもしれないですよ。
大人のくせに実家暮らしということが分かり、幼くて呆れたのかもしれないですよ。
言葉遣いやお酒の飲み方で品がなく、だらしなくて緩そうに感じたのかもしれないですよ。
食事代を出したのにお礼がなくていやだったのかもしれません。
草食系男子だから誘ってこないのではなく、別にまた会いたいと思わないから誘わないだけという可能性を自称普通女子は思いつきもしないのです。―
まあここには、人間関係の作り方として当たり前のことが書かれています。
積極的に誘ってこない男性のことを「草食系男子」の一言で片づけて、それでよし、とする近年の女性たちの傾向に対して
「あなたにもこんなところが足りなかったんじゃないの?」
と、問いかけています。
彼女の指摘するその内容は、至極当たり前のことであり、そこに全く思いを至らせることなく「草食系男子」という言葉で自分を納得させる風潮に警告を発しているのです。
「自分が至らないのかも・・・」というところに、それこそ全く思いが至らない、というのは、最近の女子によくある傾向なのでしょうか。
だとすれば、菊乃さんが指摘するように、男女のしかるべき良い関係を結ぶのは、なかなか難しいのかも知れません。
つづく