目線の高さを合わせたリアルで身近な情報が大事―社長の発する真実の物語(トゥルー・ストーリー)のみが人々の心を打つ―Ⅱ
新しい世代の実態や生態が掴みにくいと思われるのは昔から変わらない現実です。
特に今の若い層はSNSなどを駆使して、かなり個別に情報収集を行ない自らのライフスタイルを考え、消費行動を決めるようになってきました。
従って、流行情報の発信などを通じて、消費者全体にマスメディアの影響力が大きかった以前よりもその傾向が捉えにくくなっていることは事実です。
ここで大切なのは、彼ら若者がSNSを通じて情報を収集するだけでなく、情報の発信者でもあるということです。
常に情報を発信し続けている彼らは、SNSの持つ利便性や特徴、弱点に至るまで熟知しているといっていいでしょう。
そこで交わされているのは、お互いの目線の高さを合わせたリアルで身近な情報です。
これに対して、企業が仕掛ける商業色の強い恣意的な情報操作は、あまり効き目がありません。
よく言われる「ステマ」(注:ステルスマーケティング=消費者に宣伝と気付かれないように巧みに仕掛けられたマーケティング)は、すぐに見破ることができるのでかえってその企業や発信者のイメージを悪くする、とまで豪語しています。
つまり、これまで我々が普通に馴染んできた広告宣伝の手法では伝わりにくくなっているのです。
さあ、だからと言って、現役の経営者であるこちら側が、彼らと同じ目線の情報交流の世界に入っていくことはほぼ不可能です。
無理をしてもぐり込もうとしても、かなりの違和感を持たれるだけでしょう。
自社の商材やサービスをアピールしていくのに際して、従来の広告宣伝と一線を画し、かといって若者と同列のSNSの世界に組み込まれる訳でもない、何か独自のポジショニングといったものはないのでしょうか。
つづく