季節を代表する夏のコットン、冬のカシミア―私が「素材」にこだわる理由―Ⅳ

さて、素材の「快適性」についてコットンを取り上げて書いてきたが、肌触りの良さは何もコットンだけのことではない。

暖かい季節の代表がコットンだとすれば、寒い季節の「肌触りの良さ」で触れるのであれば何といっても「カシミア」であろう。

 

「カシミア」は、他のウール系の素材よりことさら暖かいという訳ではない。

何といってもその肌触りの良さが、気分まで暖かくしてくれるのである。

 

カシミアのその素材としての特長を引き出しているのは、やはりセーター類ということになる。

アウターと違って肌に近い所で羽織るものなので、その肌触りの良さは重要なポイントとなるのだ。

 

かくして、セーター好きの私はかなりの枚数カシミアのセーターを所有することになった。

他人事みたいに書いているが、いつの間にかカミさんが眉をひそめるくらい沢山になってしまったのである。

 

カシミアのセーターが威力を発揮するのは、何といってもタートルネックを着たときである。

真冬の凍えそうな季節でも、カシミアのタートルネックを着ていれば、寒気が全く入ってこない。

少し厚手のものに防風性の効いたアウターを羽織ればタウンユースとしては充分であろう。

 

ただ、この特長は逆の面も持っている。

寒い屋外から暖かい建物の中に入ったときに、アウターを脱いだだけでは体温調整が効かないことがあるのだ。

 

かといって、タートルのセーターを人前でがばっと脱ぐのは、男の私でもちょっと抵抗がある。

寒暖の温度調整の難しさがカシミアタートルのちょっとした欠点である。

 

素材の「快適性」、肌触りの良さについては、なにもコットンやカシミアだけではないのだが、いろいろ書いているときりがないので、今回はこの2素材にとどめておこうと思う。

機会があったら、麻やツイードなどほかの素材にも触れてみたい。

 

これはカシミアのタートルにパーカといったカシミア重ね。相当暖かいです。

つづく