色、デザイン、素材のどれを優先させるか―私が「素材」にこだわる理由―Ⅰ
私は、自分の着る服を選ぶとき、色、デザイン、素材の3つの条件のうちどれを一番に優先させるのかと問われたら、「まず、素材」と答えるだろう。
色とデザインを気にするのは、そのときの事情によってまちまちである。
しかし、毎回素材にだけは結構こだわるのだ。
男の場合、選べる色は比較的限られるといっていいだろう。
ビジネスシーンにおいては、ネイビー、グレー、ベージュ、くらいが基本色だろうか。
スーツの場合、ブラックというのも多い。
赤や黄色といったビビッドな色を持ってくることは少ない。
あえて遊べるとしたらネクタイくらいである。
しかしそれも、1年の半分はクールビズとやらで、ネクタイ着用の期間はかなり減ってしまった。
もともと「デザイン」であまり遊べなかった男性のビジネスシーンにおいて、クールビズの登場で、ネクタイを通した「色」でも遊べなくなってしまったのだ。
とはいえ、「色」が消えてしまっただけならまだいい。
クールビズの「見た目」は、下手をすればどこにも締まりがなくて、実に「殺風景」である。
ネクタイを外してゆるめた首元からすべてが緩んでしまったように見えるのだ。
ネクタイを取り扱う産業に対する私なりの「気遣い」もあって、私の事務所ではクールビズは6月から9月までの4ヶ月間としている。
男性職員としては、他がネクタイを取っ払っている中、少々暑苦しいかも知れないが、今のところその主義を貫いているのである。
夏素材のジャケットとネクタイ。季節感は大事。
つづく